家族信託とは①家族信託の内容
「家族信託」ってご存じですか?
「言葉は聞いたことがあるけど・・・」が多いかと思います。今回から何回かに分けて(すみません、今の時点では何回かと明言できません)まとめていきましょう。
まず、「信託」は信じて託す、文字のとおりです。信じて託す人を「委託者」託される人を「受託者」といいます。受託者は財産の管理や処分を契約に則って行い、「受益者」に財産を給付し分配します。なお、「受益者」と「委託者」同一人物の場合もあります。
イメージとしては、おじいちゃんが所有しているアパートを長男が管理、運営し、そこから得た利益をおじいちゃん(受益者はおじいちゃん以外:例えばおばあちゃん)が享受するような仕組みです。
この「委託者」「受託者」「受益者」をうまく設定することによっていろいろな信託を形成することができます。そして、イメージに合ったように家族内で行う信託を「家族信託」といいます。信託を営業として行わないため「民亊信託」のカテゴリーに入れることができるでしょう。
一方、民亊信託の対義語は「商事信託」といいます。つまり、営業として信託業を行うことですね。商事信託は内閣総理大臣(金融庁)の免許が必要になります。一方、「民亊信託」は免許は不要ですので、家族信託も特に免許なく行うことができます。
これら信託は「信託法」によって細かく規定されています。この信託法は令和5年に大きく改正されました。改正のポイントは大きく3つ。
- 私的自治の尊重
- 受益者権利の規定整備
- 自己信託の新設
私的自治の尊重
「委託者」「受託者」「受益者」それぞれが合意して取り決めたことを尊重し、法で規制しすぎないようにするという点が「私的自治の尊重」です。利害関係人に不利益が生じない限り、「委託者」「受託者」「受益者」の考えに即して自由に信託を設定できるようになりました。
受益者権利の規定整備
高齢者・障碍者の福祉のための「福祉型信託」の利用に対しては「信託監督人(受託者監督を行う)」や「受益者代理人(受益者に代わって権利を行使できる)」を新設。受益者が確実に受益できるような制度設計がなされるようになりました。
自己信託の新設
自己信託は後日詳しくまとめる予定。今回は簡単に。「委託者=受託者」となり、「受益者」を第三者で設定して、その人のために信託行為を行うことです。特殊な形態のため、信託契約は公正証書で作成しなければならず、設定したことにより実質的な財産が移動したとみなされる(つまりみなし相続財産)ため、贈与税の発生するリスクがあります。
次回は受託者についてすこしまとめてみましょう。
ここまでお読み下さりありがとうございました!
