家族信託とは②受託者
受託者は委託者から財産を任(託)され、受益者のために財産を管理・処分を行うことができます。当然ですが、受託者は管理・処分する能力を求められるので、「未成年者」「成年被後見人」「被保佐人」は受託者にはなれません。
また、受託者の権限は広く、信託契約の中に制限がなければかなり広く権限を行使することができます。以下のようなことも、信託契約で定めれば認められるのです。
- 不動産購入
- 建物の建築
- 銀行からの借り入れ
また、信託契約で受託者の権限を制限することもできます。つまり、「不動産賃貸を認めても不動産売却を禁止する等」のような設定もできます。
このように広い受託者の権利ですが、受託者には委託者や受益者のために守らなければならない義務も定められています。
- 善管注意義務
- 忠実義務
- 分別管理義務
- 自己執行義務
- 公平義務
- 帳簿等の作成、報告・保存の義務
- 損失てん補責任
以下ざっくりと解説を・・・、
善管注意義務
法律(特に民法)よく出てくる「善良な管理者の注意義務」です。職業や能力、地位などから考えて通常期待される注意義務。ざっくりというと、普通の人ならこれくらい気を付けるでしょというくらいの義務です。これ、自分は受験生の時、この言葉に触れるたびにいつも、「そんなの人によって程度が違うじゃん」と受験勉強しながらもやもやしたものです。(今でもしています)
忠実義務
「受益者のために」忠実に信託事務を処理しなければならいということ。受益者を見て、信託事務をしなさいということ。これ、場合によっては受託者の利益に反することであっても受益者のためになるならやりなさいということです。
分別管理義務
委託者の財産と自分(受託者)の財産をしっかり区別して管理しなさいということ。必要なものは登記をしたり、動産は外見上区別できるように分別したり、金銭などは帳簿等で明らかにしておくなど細かく規定されています。
自己執行義務
本当にざっくりいうと「受託者は自分でやれ、他人に代行させるな」ということです。ただ、これも限界があり、「信託行為に第三者への委託を認める定めがある場合」「信託目的に照らして相当と認められる場合」「やむを得ない事情がある場合」は例外として認められます。まあ、委託者が認めているとか、相当(つまり委託した方が良い)と判断した場合であるとか、受託者が入院しているとか、、、仕方ないですよね。
公平義務
受益者が複数いる場合(例えばAさんBさん)に、AさんとBさんで利益が違うっておかしいでしょ!以上。
帳簿等の作成等、報告・保存の義務
信託内容がブラックボックスでは困ります。つまり、毎年1回、「貸借対照表」「損益計算書」などの書類を作成して受益者に報告する義務があります。これら書類は10年間保存の義務があり、受益者から閲覧の請求があった場合は応じなければなりません。
損失てん補責任
受益者がその任務を怠ったとき、損失が生じた場合、受益者の請求により損失のてん補または原状回復責任を負います。まあ、怠ったなら受託者が悪いですよね。仕方ないです。
広い権限が認められている受託者、しかし、守らなければならない義務もありますね。次回は受益者についてまとめましょう。
ここまでお読み下さりありがとうございました!
