家族信託締結時の注意点
以前、家族信託について簡単にまとめました。家族信託によって不動産の売買を受託者に任せることができ、それによって子ども(もしくはその他の親族)も親の財産を管理することができます。ただし、設定する際には注意点がいくつかありますので、今日はまとめてみましょう。(今回は受益者を「父」、受託者を「子」でたとえてみます。)
①受益者は確定申告の義務が生ずる
受益者「父」は家族信託契約後、通常は確定申告を行う必要があります。管理などは受益者ではなく、受託者「子」が行いますが、得られた利益は受益者「父」のものですので、父名義の確定申告が必要です。
②固定資産税の納税義務者
固定資産税の納税通知書は受託者あてに送られます。受託者は信託不動産以外の不動産を所有している可能性もありますので、納税通知書は両方の不動産が混在しています。適切に区別する必要があります。信託財産は税法上受益者の所有とみなされ納税義務を負いますので、申告の際は注意が必要です。
③受託者⇒受益者の信託財産収益報告
ここでは、収益の報告のみならず、固定資産税、修繕費用等の支出などをきちんと適切に計算し、年1回報告する義務があります。また、年間3万円以上の収益がある信託財産(不動産に限らない)は「信託の計算書」等を作成し、税務署に提出しなければなりません。
④信託不動産の譲渡
譲渡の際、収益については確定申告が必要です。実際は受託者が譲渡していても、税法上は受益者が財産を譲渡したものとされ、受益者に所得税が課されるからです。ここも注意点ですね。
⑤居住用財産の3,000万円特別控除は適用される
受益者本人が居住目的で使用している不動産を売却する場合は通常と同じく「居住用財産の3,000蔓延特別控除」は適用になります。実質受益者が済んでいるため、受託者が売却する場合であっても受益者が売却するのと実質同じだからです。しかし、相続空き家3,000万円特別控除は適用になりませんので、注意が必要です。
⑥損益通算ができない(信託財産が赤字の場合)
ざっくりとした説明になりますが、信託財産の収支が1,000万円の赤字、その他の財産が2,000万円の黒字である場合、プラマイ1,000万円に課税されることを損益通算と言います。損益通算ができないため、この事例で言うと、そのほかの財産2,000万円には2,000万円の税率で所得税が課せられることになります。逆の場合は損益通算が認められる場合もありますので注意が必要です。
つまり、①~⑥を上手にやりくりすることによって、家族信託を活用すべきかすべきでないかが確定すると思います。もちろん、先日の認知症対策で活用することもできるのですが、税制上お得かどうかも知ることができるといいですね。
このジャンルはやはり税理士が詳しいですので、あくまでも今日のブログは私の勉強内容ということにしましょうか。詳しくはお知り合いの税理士へ相談した方が間違いありません。(餅は餅屋)
ここまでお読み下さりありがとうございました!

