民法:親族法⑯嫡出否認の訴えの出訴期間その3
こんにちは。行政書士の小幡です。
今日は民法第778条の2をまとめます。「の2」というのは枝番といいまして、法律の改正などにより後から追加された事が多いです。実はこの778条の2も嫡出否認の訴えについての特別な規定を盛り込んだものになります。
時代の変遷に応じて、時代に即した法改正が行われるのですね。
では、条文へ行きましょう。
第七百七十八条の二 第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)又は前条(第二号に係る部分に限る。)の期間の満了前六箇月以内の間に親権を行う母、親権を行う養親及び未成年後見人がないときは、子は、母若しくは養親の親権停止の期間が満了し、親権喪失若しくは親権停止の審判の取消しの審判が確定し、若しくは親権が回復された時、新たに養子縁組が成立した時又は未成年後見人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、嫡出否認の訴えを提起することができる。
2 子は、その父と継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、第七百七十七条(第二号に係る部分に限る。)及び前条(第二号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳に達するまでの間、嫡出否認の訴えを提起することができる。ただし、子の否認権の行使が父による養育の状況に照らして父の利益を著しく害するときは、この限りでない。
3 第七百七十四条第二項の規定は、前項の場合には、適用しない。
4 第七百七十七条(第四号に係る部分に限る。)及び前条(第四号に係る部分に限る。)に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、子が成年に達した後は、提起することができない。
4項まである条文ですので、一行ずつ見ていきましょう。
第1項は777条第2号、778条第2号の子の否認権について、母親や養親、未成年後見人などがいないときの特例です。
つまり、不在時には否認権を行使することが出来ないので、行使することが出来るようになってから(つまり、復活してから)6か月間は否認権を行使できるようにしましょうという延長ルールです。これによって、否認権を行使できない(未成年だから)状態のまま期限が切れることの無いようにした子のための改正です。
第2項は父親との同居が3年に満たない時は、子が21歳になるまで否認権を延長しようという例外規定です。これも、子の福祉のためと理解した方が良いですね。ただし、父の利益を著しく害する場合はこの限りではないと限定しています。「利益を著しく害す」ってどんな程度なのでしょう?難しいところです。
第3項は通常認められている「親権者等の否認権の代理行使」をこの特例では認めないという規定です。2項の否認はあくまでも子本人、母親が代理で否認することは認められていません。まあ、離婚した夫婦という実情があるでしょうから、これ認めてしまったらかなりの母親が否認するでしょうしね。あくまでも、子本人の意志ということで。
第4項は777条と778条の第4号(つまり前夫の否認権)は子が成年に達した後は提起できないと定めています。これも子の福祉に関わる重要条文です。
法務省のHPを色々見てみると、現在、「無戸籍児童」の問題があるようです。無戸籍の子ども、そのままでいいわけはありませんからね。何とかすべての子どもが幸せになる権利があります。
なお、無戸籍児童は法務省が把握しているだけで700人以上、しかし、実際には一万人以上いると言われています。また、近年は無戸籍のみならず「無国籍」児童の問題も挙げられています。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

