民法:親族法㉑認知その3
こんにちは。行政書士の小幡です。しばらく認知が続きます。レアケースかもしれませんが、勉強になると思います。一緒に勉強しましょう。
今日は認知3と題して、「認知の効力」「認知の取消の禁止」をまとめます。比較簡単ですので、まとめて条文を確認しましょう。
(認知の効力)
第七百八十四条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
(認知の取消しの禁止)
第七百八十五条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
784条は認知が行われたら、生まれた時にさかのぼって効力(これを遡及効:そきゅうこう、と言います)が生ずるという条文です。たとえば、子が19歳の時に認知をされたとしても、0歳~19歳までも親子関係があったとみなされます。(胎児の認知の場合はさかのぼりません。生まれていないからです。あくまでも出生してから効力が生じます。)
ただし、第三者の権利を害することができない。ここでは、父親が売却した不動産を取り戻すことはできないというのが例に挙げられます。まあ、当たり前ですね。
なお、認知があっても親権者は母親で子の名字も変わりません。(なお、合意により届け出ることによって変更することはできます。)
785条は取消の禁止、つまり、認知を「する」「しない」を何度も繰り返すことによる不安定な状態を排するために規定されています。もし、自由に認知が取り消せると、
- 子の身分(認知した人の子という立場)が不安定になる。
- 扶養する、しないの立場が不安定になる。
- 相続できる、できないの立場が不安定になる。
大原則は「子の利益の保護」です。過去、母親の詐欺により父親が騙されて認知をしたが、取り消せなかったという判例があります。それくらいこの785条は絶対の条文です。ただし、平成になって(26年)、判例変更が行われ、「血縁関係がない」という明確な理由があれば取り消せるようになりました。
DNA検査等が進んでいる令和の世の中、少しでも事実に近づけるといいですね。なお、取消については786条に詳しくまとめられています。その話はまた次回。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
