民法:親族法㉛縁組の無効及び取消しその1

こんにちは。行政書士の小幡です。

「養子」が一段落してここからは、「(養子)縁組の無効及び取消し」になります。以前、まとめましたが、養子というのは重い手続きになります。養子の手続きをすることによって、権利(特に相続に顕著に現れますね)関係に重大な変更が生じます。もっと、生々しい話をすると、養子の手続きによっては相続する財産の多寡が左右されてしまうのです。

ですから、養子の手続きはとても厳格でした。手続きが厳格なら当然その無効の主張や取消しの手続きも厳格に行う必要がありますね。今日はそんな条文です。では条文から確認しましょう。

第二款 縁組の無効及び取消し
(縁組の無効)
第八百二条 縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。
二 当事者が縁組の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百九十九条において準用する第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、縁組は、そのためにその効力を妨げられない。
(縁組の取消し)
第八百三条 縁組は、次条から第八百八条までの規定によらなければ、取り消すことができない。

802条で無効、803条で取消しについてまとめています。では、「無効」と「取消し」の違いは何か?いくつかあるのですが、まず、「取消し」は、「誰かが取消しを主張しない限り有効」になってしまうことがその特徴です。

例えば、未成年が契約をした場合、保護者の同意がない場合は原則として取消しが出来ます。取消しは保護者が行ってもよく、未成年自身が行っても構いません。しかし、これは「取消しの意思表示」が必要になります。意思表示がない場合はその契約は有効に成立してしまいます。

一方、「無効」は意思表示が不要です。無効なものは、意思表示があろうがなかろうが無効です。民法の90条には公序良俗について「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」と定められています。

こちらも例を挙げれば、ギャンブルで勝って相手から金品などをもらう約束をしてもそれは無効ということです。この無効は負けた相手からの意思表示は不要です。無効は無効、ダメなものはダメです。

話がそれそうですし、前置きが長くなりますので、いったん本題に戻りましょう。802条で無効を

  1. 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。
  2. 当事者が縁組の届出をしないとき。

としています。まあ、人違いの場合はそりゃ無効ですよね。取消しは不要ですね。万が一、人違いのまま養子になって、しかも気づかない、そして事項を迎えた・・・、お互い不幸ですよね。当然、無効になります。

また、届出をしていない(イメージは第三者が勝手に意思表示のない養子の届出を出した、でしょうか)場合も同様ですね。

ただし、この2番目には続きがあって、「第七百三十九条第二項に定める方式」というのは、当事者2人の署名と証人2人の署名のことですので、その条件を欠く程度でしたら、効力を妨げられない、つまり有効にしましょう。ということです。

一方、803条では取消しのできる内容を列挙しています。それは、次回以降でまとめていきましょう。

※私のSNSのアイコン写真(2006撮影:ドイツ、フランクフルト空港で撮影)

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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