民法:親族法⑰嫡出否認の訴えの出訴期間その2
こんにちは。行政書士の小幡です。
今日は民法778条の条文を確認してみましょう。嫡出否認というだけでは777条との違いが分かりませんよね?その違いを中心に「嫡出否認の訴え(=俺の子どもじゃないという訴え)」の特別なパターンです。
第七百七十八条 第七百七十二条第三項の規定により父が定められた子について第七百七十四条の規定により嫡出であることが否認されたときは、次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める時から一年以内に提起しなければならない。
一 第七百七十二条第四項の規定により読み替えられた同条第三項の規定により新たに子の父と定められた者の否認権 新たに子の父と定められた者が当該子に係る嫡出否認の裁判が確定したことを知った時
二 子の否認権 子が前号の裁判が確定したことを知った時
三 母の否認権 母が第一号の裁判が確定したことを知った時
四 前夫の否認権 前夫が第一号の裁判が確定したことを知った時
ここでは、条文に出てくる「772条3項」と「774条」が何だったのか理解していないと777条との違いが分かりません。訴えを提起できる期間が「3年」(777条)と「1年」(778条)で違いますから、しっかり確認しましょう。
第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。
2 <省略>
3 第一項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
つまり、772条3項に書かれているのは、
- 原則は妻が婚姻中に懐胎(妊娠)した子はその婚姻の相手(夫)の子と推定する。
- もし、懐胎中に前夫と後夫(便宜上名づけました)がいる場合は後夫の子と推定する。
ということです。これ、当事者が納得できない可能性もありますよね。つまり通常の嫡出否認は3年間ですが、このように複雑な事情を抱えているときは1年以内に嫡出否認をしなさいと言うことです。なぜ、短いか?
いつまでも父親が確定していない不安定な状態を続けさせないでおこうという意向が働いているようです。
ちなみに、新しく父親が決まった場合、各号では嫡出否認の訴え(裁判)が確定したことを知った時(「確定した時」からではありません。)から1年となっていることに注意が必要です。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

