民法:親族法⑳認知その2
こんにちは。行政書士の小幡です。今日は認知その2と題して「認知される子が青年の時」「認知される子が胎児または死亡した子の時」のパターンに沿った条文(782条783条)になります。
通常、「子の認知」としてイメージするのは、赤ん坊か子どもというイメージがありますが、前回の条文で制限されていないようにそれ以外の子の認知もありえます。では、さっそく条文を確認してみましょう。
(成年の子の認知)
第七百八十二条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。
(胎児又は死亡した子の認知)
第七百八十三条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2 前項の子が出生した場合において、第七百七十二条の規定によりその子の父が定められるときは、同項の規定による認知は、その効力を生じない。
3 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
782条は当たり前と思うかもしれませんが、超重要な条文です。つまり、認知される子が青年の場合、その子の承諾がないと認知はされないということです。認知する人との関係がよくない場合は、認知を望まない可能性も大いにあります。その子の意思を無視して勝手に認知できるというわけにはいきません。
認知が成立すると、相続権だけでなく、
- 扶養義務
- 親族関係の成立
が発生します。つまり、認知した人を将来的に扶養する義務が生じるかもしれません。そして、その人の親族と親戚関係が新たに成立します。そんなの嫌だと思っている子に無理やり押し付けるわけにはいきませんよね。
783条はおなかの中にいてまだ生まれていない子(胎児)であっても認知が可能です。ただし、母親の承諾が必要です。たとえ認知をされたとしても、父親としてふさわしくないなど、いろいろな思惑が母親にはあるかもしれません。そこに母親の意思を尊重する783条1項が意味を持ちます。
第2項は772項の「嫡出推定」と「認知」の父親が別人の場合は「嫡出推定」を優先するというものです。父親が二人はあきらかに不自然です。もちろん、嫡出否認の訴えがあった場合は別ですが、原則嫡出推定優先です。
第3項はちょっとレアケースですね。「死亡した子」というのは赤ん坊や児童ではないですね。成年、しかも中年以降をイメージしてください。この子(中年以降ですが・・・)に卑属(子ども・孫など)がいる限り、認知ができるのです。死亡した子を認知すること自体にほとんど意味はないですが、死亡した子に子どもがいたら、その子(つまり孫)は相続権が発生します。これを代襲相続といいます。
認知もいろいろなパターンがあり、それを知ることにより、いろいろは場面の対応が可能になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
