民法:親族法㉗養子

こんにちは。行政書士の小幡です。前回までで、「実子」が終わりました。とてもたくさんの条文があって大変ですが、でも、色々考えさせる条文もありましたね。

今日からは「養子」です。現代ではあまりなじみのない人も多い「養子」ですが、歴史の中ではたくさんの事例がありますね。たとえば、近世の大名は家を守るために実子がいない場合は養子を取るのが当たり前でしたね。

では、今日も条文から、

第二節 養子
第一款 縁組の要件
(養親となる者の年齢)
第七百九十二条 二十歳に達した者は、養子をすることができる。
(尊属又は年長者を養子とすることの禁止)
第七百九十三条 尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。
(後見人が被後見人を養子とする縁組)
第七百九十四条 後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も、同様とする。

第792条793条は簡単に1行だけでできている条文ですね。792条は「20」歳に達した者は、養子をすることが出来ます。自分が養子になるのではなく、自分より若い人を養子とすることが出来るという意味です。

「自分より若い人」と条件を付けたのは次条793条に尊属(父母、祖父母など)および年長者(年上の人)は養子とすることはできない。と決められているからです。

過去の最高裁判所判例(昭和44年5月29日:おお、私が生まれるちょうど一週間前!)では、当事者に「親子としての共同生活を営む意思がない」とされ、養子縁組が無効とされています。

婚姻同様、養子縁組も「縁」のため、当人の意思が絶対的に必要です。

793条は年上の人や尊属(親、祖父母もしくはそれ以上)を養子にすることはできません。まあ、当たり前ですかね。でも、自分の親を養子にしたいというパターンが全く想定できないですね。う~ん。

794条は後見人が被後見人を養子にする場合は家庭裁判所の許可が必要という条文です。これには理由があります。本来、後見人は被後見人の財産を管理する立場なので、自分の利益のために養親になることを防ぐための条文です。

もし、家庭裁判所の許可なしに後見人が被後見人を養子にしたときは取り消すことができます。利害関係人が取消を主張しますが、これは「できる」なので、取消の主張がない場合は成立することになります。

このように、養子ひとつをとっても色々検討することがありそうですよね。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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