民法:親族法㉜縁組の無効及び取消しその2

こんにちは。行政書士の小幡です。

前回は養子縁組の無効と取消しについて確認してみました。「無効」と「取消し」は厳密には同じものではなく、区別できると良いですね。

また、無効や取消しは法律の勉強をしていく中で様々な場面に遭遇します。もしかしたら、日常の場面でも触れるかもしれません。そんな時に知っておくと良いですね。

今日は「取消し」の続き、取消しが出来る場面をいくつかの条文の中で説明したいと思います。条文が少し長くて大変かもしれませんが、まとめてみましょうね。

(養親が二十歳未満の者である場合の縁組の取消し)
第八百四条 第七百九十二条の規定に違反した縁組は、養親又はその法定代理人から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、養親が、二十歳に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。
(養子が尊属又は年長者である場合の縁組の取消し)
第八百五条 第七百九十三条の規定に違反した縁組は、各当事者又はその親族から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
(後見人と被後見人との間の無許可縁組の取消し)
第八百六条 第七百九十四条の規定に違反した縁組は、養子又はその実方の親族から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、管理の計算が終わった後、養子が追認をし、又は六箇月を経過したときは、この限りでない。
2 前項ただし書の追認は、養子が、成年に達し、又は行為能力を回復した後にしなければ、その効力を生じない。
3 養子が、成年に達せず、又は行為能力を回復しない間に、管理の計算が終わった場合には、第一項ただし書の期間は、養子が、成年に達し、又は行為能力を回復した時から起算する。
(配偶者の同意のない縁組等の取消し)
第八百六条の二 第七百九十六条の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、その者が、縁組を知った後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。
2 詐欺又は強迫によって第七百九十六条の同意をした者は、その縁組の取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、その者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。
(子の監護をすべき者の同意のない縁組等の取消し)
第八百六条の三 第七百九十七条第二項の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、その者が追認をしたとき、又は養子が十五歳に達した後六箇月を経過し、若しくは追認をしたときは、この限りでない。
2 前条第二項の規定は、詐欺又は強迫によって第七百九十七条第二項の同意をした者について準用する。
(養子が未成年者である場合の無許可縁組の取消し)
第八百七条 第七百九十八条の規定に違反した縁組は、養子、その実方の親族又は養子に代わって縁組の承諾をした者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、養子が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。

今回は少し条文を多めに掲載してしまいましたが、これら全ては取消しが出来る養子縁組のパターンを6つ用意しています。まとめてみましょう。

養親が二十歳未満の者である場合の縁組の取消し(804条)

原則として20歳にならなければ養親にはなれません。(792条)20歳未満を養親とする養子縁組が受理されてしまった場合、取消しが出来るという条文になります。「20歳までは」家庭裁判所に取消しを請求できるというものです。ただし、続きがあって、「追認した時」と「20歳になったあと6か月を経過」した場合は取消しできないとしています。

個人的には20歳未満の養子縁組を受理ってなんだろう?って疑問ですが。

同様に805条は793条の「養子が尊属又は年長者である場合」、806条は794条の「後見人と被後見人との間の無許可縁組」の取消しについて規定しています。いずれもやってはいけない養子縁組ですが、成立してしまった時、つまり違法状態を改善するための方策として盛り込まれています。この後も807条まで同様です。

補足:806条

806条は後見人が被後見人を養子にする想定ですが、第2項と第3項も併せて確認しましょう。第1項では原則、養子・養子の実親から取消しを請求することが出来ます。これは、養子の財産に影響を及ぼすことを排除するのがその狙いです。ですから、管理の計算が終わり、財産に影響を及ぼすリスクがなくなった後は取り消し請求が出来ません。

806条の2は配偶者の同意がなかった縁組の取消しです。養子縁組は配偶者の同意が大原則。しかし、その同意がなかった場合、同意のない配偶者は取消請求ができる規定があります。なお、これらの規定は「6か月」があちらこちら出てきます。今回も知った時から6か月以内が鉄則です。

そして、806条の2第2項は配偶者を騙し(詐欺)たり脅し(強迫)たりした時も同様の6か月以内に取消しを認めています。細かい話になりますが、詐欺は気づいてから6か月、強迫は免れてから6か月ですので注意が必要です。

806条の3は子の立場から同意のない縁組の取消方法をまとめています。子が同意しないで養子縁組を結んだときは、監護すべきもの(実親)が同意しないで養子になった場合は子や実親から取消しの請求が出来ます。ただし、実親が追認した時、子が15歳になって6か月が経過するか追認した時は取消が出来なくなります。

最後です。(お疲れさまでした!)807条は未成年者を養子に取る際に違反した場合の取消についてまとめられています。養子、実方の親族、養子を承認した人、が取消請求をすることが出来ます。家庭裁判所に請求をすること、そして6か月ルールは変わりません。

いやあ、難しくなってきました。落ち着いて少しずつ、のんびりとまとめていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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