家族信託とは⑨二次相続の特例
前置きの話になってしまいますが、日本の法律は「一般法」と「特別法」に分けられます。一般法とは、一般的に適用される法で、特別法がない限り適用されます。つまり、「特別法>一般法」であり、特別法と一般法が干渉しあう時は特別法が優先です。
何が言いたいかと言いますと、信託については、一般法として民法、特別法として信託法という二つの法律が存在します。信託を法的に考える際は「信託法>民法」です。
前置きが長くなってしまいましたが、民法では「所有権は自分の所有物を自由に使用、収益、処分できる」という大原則があるのに対し、信託法では、91条でこのように定められています。
(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
第九十一条 受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。
信託法91条で「順次他の者が・・・」と出ているように、民法の原則を無視した動きが可能になります。民法の原則では、「自分の所有物は自由に使用、収益、処分できる」でした。つまり、父が所有しているものが相続が発生することにより子どもに承継された財産は子どもの所有物になるから、子どもだけが使用、収益、処分できるはずです。
しかし、家族信託では、父が、自分の所有物をどうするか指定できるだけでなく、自分の死後、子どもの所有物になった後でもその使用、収益、処分に対して指定ができるのです。つまり、信託とは、相手に財産を渡した後でも、自分の希望を反映させることができるのです。
当然ながら、二次相続のみならず、三次、四次・・・も可能ですね。事業承継が必要な方には有効な手段になります。但し、この指定が何百年も行われたらわけのわからないことになりますね。つまり、「行政書士小幡和義事務所の承継(そんなのあるのか?)」について、子ども、孫、ひ孫・・・・、10代も続くように信託契約を結ぶなんて現実的ではないですしね。ですから、この規定は信託法91条で「30年」と制限がおかれています。
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